2021年 地域社会活性化支援機構年頭所感

新年あけましておめでとうございます。

昨年はコロナで始まりコロナで暮れた一年でした。
この影響で今回の年末年始はこれまでとは全く違ったものになりました。
初詣も控えざるを得ずまた家族やご親族との行き来もままならないなどということは考えたこともありませんでした。
皆さまはこのような中でどのような年明けをお迎えでしょうか?
そして今年はどのような年になるのでしょうか?
そんなことを考えている今もコロナは人間社会のカレンダーなどと関係なく猛威をふるっています。コロナに苦しんでおられる皆さまには一刻も早い治癒をお祈りするとともに医療の現場で懸命の努力をされている関係者の皆さまには改めて敬意と感謝の意を表したいと思います。

世界中にコロナウイルスが蔓延してから一年近くがたちます。コロナの発生で被害を受け苦しんでいるのは感染した方や医療関係者だけではありません。コロナ拡大による影響は医療の世界にとどまることなく経済、教育、交通、物流、文化、スポーツ、観光、交流、そして政治と人類の全ての活動に対して甚大な被害を与え続けています。あまりにもいろんなことが起こりそれに関しての膨大な情報の渦の中に巻き込まれて忘れてしまいがちですがこの災禍が中華人民共和国の武漢から発生し中国共産党とこれに歩調を合わせたWHOの不作為(隠蔽と言っても過言でないとも言われていますが)で瞬く間に世界中に拡散したことは紛れもない事実です。この目に見えない恐怖は一年たった今でも衰えることはありません。我が国でも第三波の拡散の波が広がっていることに加えてイギリスで発見された従来よりは感染力が格段に高い変異種が我が国でも発見され緊張はさらに高まっています。さらにウイルスを世界中にバラ巻くきっかけとなったとされる民族移動の時期の春節がまた巡ってきます。政府の対策を過信することなく身の回りでできることを怠りなくすることが求められます。

コロナ対策の基本の一つである外出自粛は人々のライフスタイルに大変革をもたらしています。テレワークに移行しウェッブ会議が多用され自宅勤務へという働き方改革が思わぬところで実現されたという見方もできますが人間本来のコミュニケーション能力に変化は生じないのか長期的スパンで観察し続けることが必要だと思います。さらに深刻に捉えなければならないのは成長期にある子供達が集団生活の経験を持てなくされていることです。知識の習得はIT経由でも可能かもしれませんが人との触れ合いの中で育まれる感性の手当をどうするのか。これも長期的観点での対応が必要です。また、高齢者はデイサービスが中止されたり感染した場合の重症化率が高いということでますます自宅に引きこもりがちになるなどでいわゆるフレイル状態になってしまう、あるいはその状態が進行してしまうケースも出ています。このような外出自粛による対人接触機会の減少はコミュニケーションの密度を低くすることにほかならず結果的には社会の繋がり、連帯感を弱める結果を招きかねません。このことは近隣社会だけでなく、地域社会でも、企業内でも、国家レベルでもさらには国際社会でも同じようにそれぞれの持つ活力を弱めてしまう要因だと言わざるを得ないと思います。

憎むべきはコロナウイルスですが恐れてばかりいても事態は好転しません。このような状況下で政府に対しては正確な情報を適切な方法で広く国民に周知すること、速やかで厳格な水際対策でコロナ収束に成功を収めている他国の事例を参考にした毅然とした入国管理施策の執行、医療機関の賛同を得られる対策を明示することで医療側が感染者の受け入れ体制拡大に踏み切れる誘導措置の実施、ワクチン、治療薬を適切に投与することができる環境の整備など国として取り組むべき課題に対し司令塔を一本化して速やかに取り組んでもらいたいと思います。そして我々一人一人はコロナの収束に向けた方向が見えてくるまでは三密回避、マスク着用、うがい手洗いなどの感染防止の基本を守るとともに自らの免疫力を高めることに努力していくべきではないでしょうか。具体的には規則正しい生活リズム、バランスの取れた食生活、適度な運動を自分の生活リズムの中に組み込むことです。地方公共団体や健康づくりの支援をしている団体などはコロナという禍を契機としてこのような市民の健康づくり推進の旗を掲げるべき時だと思います。このことはコロナ対策ということだけではなく高齢化社会に突入している我が国にとって欠くことのできない施策です。そしてその活動を通じて地域社会の活性化と地域力の向上を図ることは地域社会の活動に関わるものの責務だとも考えています。

さて、古来我が国は幾多の疫病に苛まれてきました。疫病のみならずでなく、数多の地震、風水害、火山噴火、大火災、飢饉などの天災、また、戦争という人災に見舞われてきました。我々の祖先そして先人たちはそのたびに和の心で叡智を出し合いそれらの困難を乗り越えてきました。今回の災難は世界規模の数百年に一度のものだとも言われていますが我々が乗り切って行けないわけはないと信じています。そのためには我々一人一人の覚悟と人任せにしない自主的な判断が強く求められます。国民の生命か経済活動かというともすれば相反する二大課題のはざまでどっちつかずになりがちな政府の判断だけを鵜呑みにするのではなく、また、ただワクチン投与の順番が一刻も早く来ることをひたすら乞い願うでもなく、自分の今置かれた環境での最善の策を選択して行動し続けることが必要です。我々一人一人がこのように行動することでコロナを収束にもって行くことができた、そんな年になってほしい。2021年は日本人が民族としての叡智をみせた年。そんなふうに後世に評価されるような行動を一人一人がとっていくことを期待したいと思います。

令和3年1月4日
代表理事 御園 愼一郎