新型コロナウィルスの後の世界に向けて

新型コロナウイルスの猛威が吹き荒れています。

昨年末に中華人民共和国武漢市で発症例が確認されたこのウイルスは1月に入るとあっと言う間に中華人民共和国全土に蔓延。2月には日本を含むアジアに、2月末にイタリアで爆発したと思ったら瞬く間にヨーロッパからアメリカへと拡散しました。このパンデミック状態を受け欧米はじめ多くの国は外出禁止など私権制限を伴うロックダウン(都市封鎖)に踏みきっています。そして我が国でもついに「緊急事態宣言」が発令されました。この措置は、欧米諸国のようにロックダウンを法的に強制するものではありませんが、人々の行動はこれまで以上に制約され他人との接触の機会が大幅に減少することになります。指定された7都府県の住民の皆さんは、食料品の調達など必要最小限の外出以外は自宅に留まることになります。それ以外の道府県の住民の皆さんといえども目に見えないウイルスの恐怖もあり日常の行動は大きく制限されたものになることでしょう。これまでの生活がガラッと変わってしまいます。このような状況は容易に解消されることはないと予想せざるを得ません。ワクチンが開発され普及するかあるいは効果的な薬品が利用できるようになるまで半年、1年あるいはそれ以上の期間が必要とされるでしょう。地球上のほぼ全ての人類がこれから相当に長い期間行動の制約を受けた状態で生活をしてゆくことになります。この間に起こる社会の変化はどのようなものでしょうか。これまでのようなコミュニケーションが取れなくなった中で生じる一人ひとりの意識や価値観の変化は地域社会を構成するコミュニティのあり方、国家のあり方、経済活動のあり方をはじめとして人間社会のすべてがグローバル化を前提として構築されてきた今までのものとは大きく変わってゆくと予想されます。

そんな中で地域社会を構築するコミュニティ、人と人の絆のあり方がとても気にかかります。人々が心豊かに生活してゆくためには手を携えて暮らしてゆく仲間の存在が不可欠です。この仲間のつながりをコロナウイルスという凶器が今まさに切断していると言っても良いのではないでしょうか。このコロナウイルスの影響が解消された後に弱められてしまった、あるいは崩壊してしまった地域の絆をどのようにして復元させたらよいのか。地域の人々が心豊かに暮らせる社会を作るためにはどんなことをしていかなければならないのか。このことを考え有効な手立てを提示してゆくことは地域社会活性化支援機構の本来の役目だと認識しています。「新型コロナウィルスの後の社会」を想定しその社会がこれまで私たちが暮らしてきた社会よりさらに良いものにするために求められるものは何か?私たちは今そのことの協議をしています。志を同じくする方は多くおられると思います。

パンデミックというピンチをより良い地域社会づくりに向けてのチャンスとするために一緒に知恵と力を合わせていきましょう。

令和2年4月8日
代表理事 御園 愼一郎